【催眠療法体験記⑤】いよいよ本格的な催眠療法でのパニック障害治療がスタート

催眠療法 催眠療法

まずは面談を終え、催眠状態というものがどういうものかを学んだ僕。

その一週間後、いよいよ本格的な催眠療法の第1回目の日となりました。

その様子を、できるだけ具体的に書いていきたいと思います。

まずは前回同様、姿勢の調整から

本格的な催眠療法の初日ということで、軽く緊張しながら催眠療法士『Kさん』の元へ向かいます。

到着すると、前回同様柔らかい笑顔で迎えてくれるKさん。
やっぱり、雰囲気や人柄は大事です。
Kさんの笑顔を見た瞬間、なんだかホッとした気分になれましたから。

部屋へ入り、まずはここ一週間の様子を聞かれます。
急に不安になったりしたか? 薬は飲んだか? どんな場面で苦しい思いをしたか?などなど。

5~10分ほどの問診が終わると、早速催眠療法開始です。

まず、「床に寝るのと椅子に座るの、どちらがよいですか?」と尋ねられました。
個人的に椅子に座ってやる方が落ち着きそうだったので、今回からは椅子でやって欲しい、と伝えました。

もちろんOKで、座る際の背もたれの深さについても細かく好みを聞いてくれました。

準備運動的な『催眠体操』

それが終わった後、

「それでは、催眠に入る前に催眠体操というのをやります」

と告げられました。
前回はやらなかったやつだなぁ、と思いながらも、素直に指示に従います。

この催眠体操、どういったものかと言いますと、、、

まずパイプ椅子に座り、「グッと力を入れた後にすぐ力を抜く」・「前後左右に身体を軽く振られる」といった動きを何度かやります。

この時に、ある程度体に触れられることがあります。
催眠療法に必要な行為である以上、僕は全く気になりませんでしたが、中には「体に触れられるのが苦手だ」という人もいるかもしれません。

なので、どの程度触れられるのかを解説しておきます。

 

どの程度触れられるかというと、被催眠者(催眠を受ける人)をリラックスさせるために、頭や腕や肩を軽くなでたり抑えたりします。
あと、体を支える為に背中に触れたりもします。

ですが、体に触れられる時間はそんなに長くはありません。
体に触れられるのが多少苦手な人でも、まあ大丈夫な程度だと思います。

そして、実際の催眠に入っている間は一切触れられません。
これは、どの催眠療法士さんでも同じだと思われます。

いよいよ本格的な催眠療法突入

こうして催眠体操を行ない、体中の力を抜いた後、いよいよ椅子へ移動。
この椅子は、先程のパイプ椅子とは違い、フカフカのリクライニング仕様の椅子です。

背もたれを最大限倒し、ほとんど仰向けで寝ているような状態で椅子に横たわる僕。

すると、Kさんがゆっくりと語りかけてきました。

「では、その状態から目をつむったまま両手を合わせてください。」

言われた通りに、自分の胸のあたりで両手をピタリと合わせます。
お祈りしているような感じです。

「もっと肘を開いてください。」

どうやら、お祈りしているみたいなポーズではダメなようです。
すかさず指示に従って肘を開きました。
ヨガでやるような手の形になりました。

Kさんが続けます。

「その状態から、段々と両手に力が入ってきて、互いに押し合いますよ~ すると、両手がブルブルと震えていろんな動きが出てきますよ~」

こういった内容のことを、言い回しを変えながら何度か繰り返し語りかけてきました。
口調は、依然ゆっくりとした静かなものです。

しかし、僕の両手は手を合わせた状態のまま。
押しあうこともなければ、ブルブルと震えだすこともありません。

その様子を見て、すかさずKさんが次の指示を出します。

「最初は意図的にでもいいですから、両手に力を入れて押し合ってください。」

言われた通り、意図的に力を入れて、手を合わせた両手に力を入れて押し合いました。
しかし、震えが出たりその他の動きが出たりすることもありませんでした。

「はい、大丈夫ですよ~ 初日は全く動きが出ないことも多いですから。」

ちょっと焦っていた僕に、そう言って安心させてくれたKさん。

「はい、それでは手を離して全身の力を抜き、そのまま手をダラーンとさせてください。」

指示通り、力を抜きます。
ここからKさんは、さらにゆっくりとした静かな口調で語りかけてきました。

「さぁ、それではね、これからあなたは、もっともっと、もぉ~っと体中の力が抜けていって、とてもリラックスした気持ちのよい状態になっていきますよ~」

「今から、20から0まで数えていきますよ~ 0になる頃には、あなたの心と体はすっかりとリラックスしている~」

「にじゅう~・・・ じゅうきゅう~・・・ じゅうはち~・・・」

ゆっくりと、本当にゆ~っくりとカウントダウンしていくKさん。

カウントダウンの合間にも、「ほら、どんどん力が抜けてきた」といった言葉を細かく挟んできます。

実際に、カウントダウンが進むにつれ僕の意識も段々と薄れていき、電車の中でウトウトするような、気持ちのよい状態になっていきました。

「にぃ~・・・ いちぃ~・・・ ぜろぉ~・・・」

「さぁ・・・ これであなたの心と体は完全にリラックスした状態になったよ~」

「あなたは、これからどんどん開放的な気分になっていくよ~」

「何にも囚われることのない、自由な心を持てるようになるからね」

「今まで苦手で出来なかったことも、好きなように出来るようになるよ~」

「あなたは、自由な心を持っていた子供の頃のように、どんどん自由な心を取り戻していくよ~」

こういったポジティブなことや自分がなりたいと思い描いている姿を、言い回しや表現を変えて何度も何度も、ゆっくりと丁寧に語りかけてくれます。

僕が一番にお願いしていた「性格矯正」を、このあたりでやってくれていたようです。
小さなことでクヨクヨせず、ちょっとしたことで不安にならないような「良い意味での鈍感さ」を身につけるために。

あと、語りかけが段々と敬語ではなくなっていったのもポイントかもしれません。

最初は「あ、段々と敬語じゃなくなっていった。 タメ口にした方が親しみが出て、自分の中に入って来やすくなるからなのかな?」とかいろいろ考えてしまいましたが、「ダメだ、集中しよう。 余計なこと考えちゃダメだ。」と雑念を払いのけるように頑張りました。

長距離移動克服のための暗示が始まる

催眠開始から20分ほど経ったところで、今度はより具体的な暗示が行なわれました。

事前の問診にて、僕が一番にお願いしておいたのが「性格矯正」でしたが、実はあともう一つお願いしていました。

それは、「長距離移動」についてです。

今ではだいぶマシになりましたが、この当時の僕は長距離移動が苦手でした。
旅行へ行く時も、電車や車で片道3時間、といった距離になってくると、出発前からかなり憂鬱になります。
場合によっては、抗不安薬を飲まないと耐えられないくらい。

無理に我慢するよりは、抗不安薬を使って楽になり、移動時間も楽しんで過ごせる方がよいだろう、と思ってついつい飲んでしまいます。
それでも、楽しめるまではいきませんでしたが。

旅行自体は好きなものの、移動が憂鬱すぎてあまり旅行に行けないという状態だったので、これを解消できたらいいなぁ、と思っていたのです。

 

なのでここからは、旅行に対しての具体的な暗示が始まりました。
イメージトレーニングに近い感じです。

「電車の中で、おいしい駅弁を食べながら、車窓から見える新鮮な景色があなたを迎えてくれているよ。」

「ほら、移動中は、旅先のおいしい食事や綺麗な景色が楽しみで、ワクワクドキドキしちゃうよね。」

「長い時間かけて移動して、やっと着いた旅館。 ああ、楽しみ。」

こういった、旅行が持つ独特のワクワク感、着いた時の喜び、旅行先でのおいしい食事や綺麗な景色などについていろいろな言葉で表現してくれて、旅行に対する苦手意識の除去に努めてくれます。

僕も、うつらうつらとしながら、うすぼんやりと言われた光景を想像します。

初日ということでまだ少し緊張があったのか、はっきりとはイメージできませんでしたが、なんとなく心が落ち着く感じがしたのを覚えています。

 

あと、こんな感じのことも言ってくれました。

「ほら、家族と一緒に電車に乗っている姿を想像してごらん? 楽しく会話しているうちに、あっという間に時間が経ってしまうね~」

これも、事前の問診で「嫁や子と喋っている間は楽しくて時間を忘れる」と僕がぽろっと喋ったことを生かしての語りかけでした。
何気なく喋ったこともちゃんと拾ってくれているのだな、と思えた部分でした。

 

こうして、移動に対してポジティブなイメージを徐々にすり込んでいこうとしてくれるKさん。
じっくり聞いているうちに、いつの間にか1時間近く経っていました。

するとKさんは、今までの静かな静かな声から、やや大きな声へと変わり、

「さぁ、ではあなたは、今から段々と意識が戻ってきますよ~ 段々と手足に力が入ってくる~」

覚醒のための語りかけへと移行していきました。

「では今から、3つ数えますよ~ 数え終わった時には、あなたの意識はすっかりと覚め、体も心もと~っても軽くなっています。 いきますよ~ さん・・・ にぃ・・・ いち・・・・・・ はい、覚めた!」

Kさんはここでパチンと手を叩き、僕もついパッと目を開きます。

「はい、お疲れさまでした。 以上で、今日の催眠は終わりになりますので。」

Kさんはニコリと笑いながら、そう言いました。

 

この後、初めて催眠を受けてみてどうだったか、素直に催眠に入れたか、言われた通りイメージできたか、今の意識状態はどうかなどを聞かれました。

僕は素直に、「まだよくわからないけど、なんとなく落ち着いた気分にはなりました」と伝えました。
Kさんは、「今日が初日ですから、最初はなんとなくでもイメージできれば大丈夫ですよ。」と言ってくれました。

そのまま僕が言葉を続けます。

「あと、途中で雑念が入っちゃったりして、集中できない時も結構あったんですけど・・・」

「大丈夫ですよ。 最初はみんなそんな感じです。 いきなり出来る人の方が少ないですから。」

そうなのか、とやや安心したところでこの日は終了。
来週の予約を取り、Kさんに挨拶をして帰りました。

こうして、僕の催眠初日が終了したのです。

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