パニック障害歴20年の僕が勧める、電車移動時の吐き気や不安への対策法

満員電車とパニック障害 治療法・克服法

パニック障害を持っている人の多くが苦手とする電車移動

特に満員電車の苦痛というのは、パニック障害を持っていない人の苦痛とは比較になりません。
パニック障害持ちにとっては、満員電車というのは恐怖の対象になってしまうこともあるのですから。

パニック障害歴約20年となる僕ですが、これまでの人生、当然ながら様々な場面で電車に乗ることがありました。
住んでいる場所にもよりますが、現代において電車に乗らずに生活するというのは多くの人にとって困難なことなので。

 

僕の場合は、パニック障害持ちとなってからのこの約20年、東京に住んでいる時期が多かったので、必然的に電車に乗る機会も多かったです。

サラリーマンをしていた時など、月~金で欠かさず満員電車に乗る必要があったので、日々「なんとか電車移動に対する苦手意識を克服できないか?」と考え、いろいろ試してきました。

今回は、【そんなパニック障害歴20年の僕が、どのような電車移動対策・対処をしてきたか】について語らせていただき、同じ悩みを持つ方と共有し、少しでもお役に立てればと思います。

最初は面倒に感じても、継続することが大事(認知行動療法の重要性)

先に書いておこうと思いますが、以下に挙げていく対策法・対処法について、

「え? これを全部やるの?」
「そんなことまでしないといけないの?」

と、面倒に感じてしまう部分も出てくるかと思われます。

しかし、安心してください。
一生それを続ける、というわけではありませんので。

 

【認知行動療法】という言葉をご存知でしょうか?

認知行動療法がどういうものかというと、苦手な行動について、ハードルを下げつつ繰り返し行動していき、成功体験を植え付けていく、というもの。

「実際に出来た」という成功体験が無意識化に染み込み、苦手だったものがいつの間にか平気になってくるのです。

そのあたりについての詳しい解説については、以下の当ブログの記事にて。

[関連リンク]■ パニック障害における認知行動療法とは? その具体的なやり方や効果

 

「認知行動療法」と言うと難しく聞こえてしまうかもしれませんが、要は「慣れ」というやつです。

高いところで仕事をすることが多い「とび職」の人でも、「とびの仕事をやる前までは高所恐怖症だった」という人もたまに存在します。

しかし、怖かろうが何だろうが仕事なのだからやらなければいけないですよね。

最初のうちは我慢して耐えながらやっていても、繰り返しその行動を取ることで、「なんだ、自分は高いところが平気なんだ」と無意識に刷り込まれていき、いつの間にか高いところが平気になっていくものなのです。

これこそが、まさに認知行動療法。

 

パニック障害持ちが電車移動の苦手意識を取り去るのも、基本的にはこの方法がベスト。

サラリーマンの方の場合は特に実践しやすいでしょう。
「電車に乗ることを避けられない」という場合が多く、必然的に認知させるための行動を取りやすい環境に身を置けているので。
もちろん、最初はそれが辛いものではあるのですが。

 

とはいえ、実際に僕もサラリーマン時代にこれを自然と実践していました。
いやでも満員電車には乗る必要があったので。

以下に記す満員電車での対策法を実践しながら乗り続けているうちに、段々と平気になってきて、「満員電車もそれほど苦にならない」という期間を作り上げることができました。

こういった認知行動療法は、時間はかかるものの、効果は抜群です。

電車移動に向けての具体的な対策法・対処法

これから挙げていく対策法・対処法に共通しているのは、【安心感を作り上げる】ということ。

電車移動が苦手となってしまっている理由は、主に以下の2つ。

 

「悪い暗示にかかってしまっている」
※自分は電車移動が苦手なのだ、という思い込み

「つい余計なことを考えすぎてしまう」
※不必要に「また吐き気や不安感が来たらどうしよう」などと考えてしまう

 

この2つを解消するためには、安心感を作り上げるのが最も有効。

ということで、この「安心感を作り上げる」という考えを前提としつつ、以下にて実際に僕が実践してきた具体的な対策法を記していこうと思います。

その① : 周りの人(特に仕事関係の人間)に自分の状態を伝えておく

これは、人によってできない場合もあるかもしれませんが・・・

できれば、自分がパニック障害であることは早めに周囲の人に伝えるべきです。
仕事関係の人には特に。

事前に伝えておくことで、通勤や待ち合わせで電車に乗る際も、

「もし電車の中で急に不安になったり吐き気がきたり、その他の発作がきたりしても、相手は自分がパニック障害であることを知っているから、仮に遅刻してもある程度理解してくれるだろうし、変にも思われない」

という安心感が生まれ、発作に襲われにくくなります。
いざとなれば一言連絡を入れればどうとでもなるのだ、という安心感が、不安感を軽減してくれるので。

「パニック障害だと思われることが恥ずかしい」
「事情があってパニック障害であることを知られたくない」

という方もいらっしゃると思います。
そういう方は、もちろん無理に伝える必要はありません。

しかし、今ではもうパニック障害はかなり認知されていますし、変に思われる可能性は低いです。

間違っても「精神がおかしい人」なんて思われて敬遠されることは考えにくいですね。

そんな勘違いをして変な目で見てくるような人間は、よっぽどリテラシーの低い人間。
もし仮にそんな人間がいたのなら、無理に付き合う必要もないと思います。

現に僕の場合、ほぼすべての友人・知人に話しています。
しかも、わりと知り合った序盤から言うようにしています。
でも、それで距離を置かれたり、こちらが不快な思いをしたことなど一度もありません。

なので、できれば周囲の人たち、特に仕事絡みの人たちには、しっかりと伝えておいた方がよいと思います。

 

ちなみに、パニック障害であることを伝える際、僕が一つ心掛けていることが、

「腰痛持ちや肩こり持ちであることを伝えるかのごとく、わりとポップに伝える」

ということ。
重々しく伝えるのではなく、話の流れに沿ってサクっと伝えてしまうのです。

世の中、腰痛持ちや肩こり持ち、片頭痛持ちなど何かしらのハンデを背負っている人は無数に存在します。
パニック障害も、そうしたハンデの一つに過ぎないのですから、変に重々しく伝える必要などないですし、ましてやコンプレックスを感じる必要など全くありません。
何一つハンデを持っていない、などという人間を探す方が難しいのですから。

なので、話の流れでいけそうなタイミングがあれば、明るくサラリと伝えてしまうことをお勧めします。

その② : 電車に乗る前日は、酒を控える&しっかり睡眠をとる

前日の飲酒量が多かったり、睡眠不足だったりすると、翌日の自律神経が乱れやすくなります。
自律神経が乱れると、吐き気や不安などの予期不安を誘発しやすくなってしまいます。

よって、翌日に電車に乗る予定がある場合は、酒を控え、出来る限り睡眠をとっておきましょう。

 

とはいえ、電車通勤に備えて、毎日のように大好きな酒を控えたりやりたいことを我慢してさっさと寝たり、というのは非常に辛い事ですよね。

しかし前述の通り、これは一生続けるわけではありません。
あくまで「電車に乗ることへの強い苦手意識」が解消されるまでなので、しばらくの間我慢して継続してみてください。
大の酒好きである僕もしばらく我慢して継続したことがありましたが、自律神経が安定したおかげか、その効果ははっきりと実感できました。

自律神経は偉大です。。。

その③ : 抗不安薬を常備する

飲むか飲まないかは別として、何かしらの抗不安薬を常に持ち歩くおくことで、強い安心感が生まれます。

「電車の中でもし発作に襲われても、薬を飲めば5~10分で収まるのだから気にすることはない」

こう考えることで、自然と発作も起きにくくなるのです。

そしていざ発作が起こったとしても、常備している抗不安薬を飲めばいいだけ。
予期不安を防ぐと同時に、いざ発作が起こってしまった時の対処法も兼ねています。

 

僕の場合は、「デパス」「ワイパックス」という抗不安薬を持ち歩いています。

持ち歩き方は、【フリスクのケースに入れてポケットに入れる】という方法。
普段手ぶらで出歩くことが多いので、どうやって持ち歩こうかといろいろ考えた結果、この方法に落ち着きました。

こんな感じで、まずはフリスクのシールを剥がして真っ白な状態にします。

シールを貼ったままポケットに入れて長期間持ち歩くと、シールがボロボロになって汚らしくなるので、事前にシールを剥がしておくことをお勧めします。

そして、真っ白と化したこのフリスクのケースを開き、そこへこんな感じでデパスとワイパックスを入れておきます。

サイズとして非常にコンパクトで持ち歩きやすいし、取り出しもしやすいので、是非参考にしていただければと。

なお、いざという時にすぐ薬を飲めるように、電車に乗る際はも常に持っておくようにしておきましょう。

その④ : 顔に風を当てる

酒を飲みすぎた時や乗り物酔いをした時など、気分が悪い時によく飛び出すセリフ、「ちょっと夜風に当たってくる」。

このことからも分かる通り、顔に風を当てるという行為は、気持ちを落ち着かせる効果があります。

しかし、電車に乗っていると自分の意志で自由に外へ出ることはできませんよね。

なので、できれば小さい扇子などを持ち歩くとよいでしょう。
何も持っていなかった場合は、手で顔を扇ぐだけでも効果があります。

その⑤ : 抗不安効果がある手のツボを押す

不安をやわらげるツボというのは、体中至るところに存在します。
しかし、電車の中で足や背中のツボなど押せないので、押せるツボは限定されてしまいます。

そこでお勧めなのが「手のツボ」。
これならば、電車の中でも簡単にツボを押すことができます。

不安をやわらげる手のツボのお勧めは以下の2つ。(動画は、『せんねん灸』の公式動画)

【お勧めのツボ① : 神門(しんもん)】

【お勧めのツボ② : 合谷(ごうこく)】

上記の場所を、「痛気持ちいい」くらいの強さで、揉むように何度も押します。

何も持っていなくてもすぐに対処できる、実に手軽で便利な対策法ですね。

その⑥ : 呼吸法で気持ちを落ち着ける

「腹式呼吸」という言葉をご存知の方も多いでしょう。

鼻から空気を吸い、肺ではなくお腹に空気を入れていく感じでお腹をめいっぱい膨らませ、吸い切ったところでゆっくりと大きく口から息を吐き出す。
それが腹式呼吸です。

腹式呼吸には気持ちを安定させる効果があるため非常に有効。

しかし、電車の中となるとどうでしょうか?
特に満員電車ともなると、「ふーーーーっ」と息を吐き出すような行為はしづらいですよね。
「この人、何してるの?」という奇異な目で見られてしまうでしょうし、周囲の人に息を吹きかけるという行為自体が迷惑にもなってしまいます。

そんな時にお勧めなのが、

「鼻からゆっくりと5秒かけて空気を吸い、その後鼻からゆっくりと5秒かけて空気を出す」

という方法。

ポイントは、腹式呼吸のように限界まで空気を吸い込まない事。
浅い呼吸を規則的にゆっくりと行なうイメージです。
この方法ならば目立たずできるので、周囲に気を遣う必要もありません。

この呼吸法、僕も気持ちを落ち着かせたい時によくやるのですが、本当に気持ちが落ち着きます。
寝る前にやると、寝つきがよくなったりもします。

こちらも「ツボ押し」同様、何も持っていなくてもすぐに実行できる対処法なのでお勧めです。

あとがき

以上が、僕が実際過去にやってきた電車に乗る際の対策法です。

現在はずっと自宅で仕事をしているので、電車に乗る機会はほとんどありません。
とはいえ、たまに電車に乗ることもあり、そんな時に不安や吐き気に襲われたら、手のツボや顔を扇ぐなどの対策法はよく活用しています。

試したところで害はないので、是非皆様も活用してみてください。

補足

記事序盤で登場した「認知行動療法」という言葉。

認知行動療法によって、電車への苦手意識を薄めることに成功した後も、油断はしないでください。
不規則な生活、ストレス、不摂生などで、苦手意識が再発してしまう場合もありますので。

実際僕も、何度も電車への苦手意識が再発しています。
主に、酒の飲みすぎなどで生活が乱れてしまうことが原因ですが・・・

しかし悲観することはありません。
そうなってしまったら、もう一度始めから認知行動を開始すればいいだけなのですから。

面倒ではありますが、ずっと苦しまないといけないものでもないのです。

「その気になればいつでも克服できる」

そうわかっているだけでも、かなりの安心感が生まれるのではないでしょうか。

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